2006年に父から贈られた0.5ヘクタールの土地がアドリアンにとっての初めてのブドウ畑だった。それ以降、アドリアンはドメーヌ・デュ・セリエ・デ・クレの畑を6ヘクタールまで拡張し、ビオディナミ農法を行い、有機栽培の認証エコセールを取得している。
畑のほとんどの区画は、トラクターが進入できないような山肌の急な傾斜地にあり、馬で畑を耕している。ブドウの樹は1ヘクタールあたり8600本植えられており畑の区画ごとに味わい、アロマ、色合い、アルコール度数の違いが生まれるという。
アドリアンのワインも、モンドゥーズ、ペルサン、シニャン・ベルジュロン、ジャケール、ルセットといった地場品種のみで生産されている。ボトルのラベル名は、家族の名前やサヴォア地方の方言にちなんでつけている。
モンドゥーズの赤ワイン・Cuvée Rosa キュヴェ・ロザの畑は、ボージュ山麓の南向き斜面に位置している区画。樹齢19年のブドウの樹が栽培されている。土壌は石灰質・粘土・シルト。
情熱的なナチュラリストであるアドリアンは、有機はちみつを作る養蜂家である妻とともに、動物や植物の昔ながらの生態系をリスペクトしながら、自然と調和する農業を行い、農薬などの化学物質が残っていない浄化された畑を次世代へ引き継がせたいと切望している。
機械に頼らず、人の手による作業、馬による農耕、自然酵母の働きで促される発酵、時間をかけて行われる醸造...、アドリアンの哲学はワイン造りの一つ一つのプロセスに反映されている。